豪ドル/円相場は、90~92円水準で揉み合う展開に。急激な円高傾向が一服する中、豪ドル/円相場の下落傾向にも一定のブレーキが掛かっている。ただ、対米ドルでは豪ドルの戻り売り圧力が再び強くなっていることもあり、改めて豪ドル買い・円売りを進めるような動きも鈍い。辛うじて90円の節目で下げとまることができるか否かというレベルに留まっている。
6月18日には、4日に開催されたオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)金融政策決定会合の議事録が公表された。ここでは、「交易条件の悪化に伴い、豪ドル相場が時間とともに一段と下落する可能性がある」との見方が示されている。また、「需要を支えるのに必要となった場合、現在のインフレ見通しが若干の追加緩和余地を提供する可能性があると判断した」とも指摘しており、追加利下げの議論があること再確認している。豪ドル安の景気支援効果にも期待が示されているが、「過去1年半の輸出価格下落を考慮すれば(豪ドルは)依然として高い水準にある」との見方が維持されており、追加金融緩和の可能性が否定できない状況が続くことになる。19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)をきっかけに米金融緩和の修正議論が高まると、対米ドルで再び豪ドル売り圧力が強まり易い環境になっている。
もっとも、対円での豪ドル相場の下落余地は限定される見通し。日経平均株価の急落地合にブレーキが掛かり始めていることで、円高圧力も鈍化し始めている。まだ不安定な相場環境が続いているが、世界的に株安傾向が一服感を強める中、少なくとも更に円高が進むリスクは限定される見通し。豪ドル/円も本格的な反発は想定しづらい地合だが、短期的なボトム確認の条件は整いつつある。
今後1週間の予想レンジは、89.00~92.50円。